日本の食品ロスについて学びたいなら、少なくとも押さえておきたい3つの法律【食品のプロが記載】
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どうも。「食彩life」「やさしい食品表示ラボ」を運営している dai です。(プロフィールはこちら//食品業界情報は→こちら)
2018年は様々なフードロス削減サービスがロンチされて、フードロス元年と謳える年ではないかと個人的には分析しております。2019年もフードロスに関して世間の関心が高まり、ますます活況を帯びております。さらに「食品ロス削減推進法」が成立し、政治および経済が大きく変化している様相が仕事をしながら感じます。
今回は、日本の食品ロスについて学びたいなら、少なくとも押さえておきたい3つの法律についてまとめてみました。
食品ロス削減に関しては国のプロジェクトでもあり、各関係省(消費者庁、農林水産省、文部科学省、経済産業省、環境省)の連携し、食品ロス削減に向けて多角的に推進されております。日本のフードロスについて知りたいなら最低限政治的な動きを常にウォッチする必要がありますね。ビジネスを行うなら、なおさらです。
フードロスとは
本題に入る前にフードロス(食品ロス)について説明します。
フードロス(食品ロス)とは、食べるために作られた食料が、失われたり捨てられたりしてしまうことを指します。サプライチェーンの流れの中で、まだ食べられるにも関わらず、様々な理由で失われたり、捨てれられたりしています。フードロスの定義は様々ですが、このHPでは、フードロスを環境省や農林水産省が用いられているように「食べられる食べ物が捨てられること」という意味で使用しております。
2015年に国連の「持続可能な開発サミット」で採択された2016年から2030 年までの国際目標の中で、食品ロス関係の記載があり、持続可能な生産消費形態を確保する目標を掲げております。
2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる、とのことでした。
日本のフードロスは年間643万トン。そのうち家庭から291万トンが発生
実際、日本ではまだ食べられるのに捨てられてしまっている、フードロス量は、643万トンと推計されております。(2016年度)
まだ食べられるものが捨てられてしまう問題、フードロスについて、社会全体が考えていかなければならない課題になります。日本のフードロスのうち291万トンが、消費段階の家庭で発生していると言われており、一人一人が行動の見直しがフードロスを減らしていく上で必要になります。
さらに、フードロスに関して深く知りたい方はこちら。
①フードロス(食品ロス)とは?食料ロスと食料廃棄の違いや原因など、食品従事者が徹底的にまとめてみた。
②今から家庭でできる!いち消費者の6つのフードロス対策【食品関係者記載】
③食品業界が取り組むべき8つのフードロス対策とは【現役食品メーカー勤務者が分析】
日本の食品ロスについて学びたいなら、最低限押さえておきたい3つの法律
日本の食品ロスについて学びたいなら、少なくとも押さえておきたい3つの法律をまとめてみました。食品ロス削減は世界的な課題であります。その上、国も気にかけております。知っておいて損のない法律になります。
- 食品廃棄物の発生抑制と再生利用の促進が目的 「食品リサイクル法」
- 食品ロスの削減が目的 「食品ロス削減推進法」
- シーンによって税制が変わる 「軽減税率制度」
食品廃棄物の発生抑制と再生利用の促進が目的 「食品リサイクル法」
食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)とは、食品廃棄物の発生抑制と再生利用を促進するために、基本事項をまとめた法律になります。食品リサイクル法で規定する事業者は、食品関連事業者になります。食品関連事業者とは、食品メーカー、問屋、飲食店のことを指します。
食品表示法に規定される食品関連事業者との関連性がありますね。食品表示に関心があればこちらもご覧ください。
●関連記事→食品関連事業者とは?食品表示法における3区分、食品関連事業者以外の販売者をまとめたよ。
←運営者 daiは食品表示検定中級を取得しており、「やさしい食品表示ラボ」も運営しておりますので、よろしければこちらもどうぞ。
食品リサイクル法のポイント
食品リサイクル法のポイントをまとめております。
- 食品リサイクル法が規定する食品は、医薬品、医薬部外品は除く食品全般のこと。
- 食品リサイクル法では、食品関連事業者が対象になります。
- 食品流通において川下に至るほど食品の分別が難しくなり、再生利用等が低下します。
- 優先順位は、発生抑制、再生利用、熱回収、減量になります。
食品リサイクル法をより詳しく、8つの要点をまとめております。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
食品ロスの削減が目的 「食品ロス削減推進法」
食品ロス削減推進法とは、食品ロスを削減するために、国、地方公共団体、事業者、消費者等が連携し、国民運動として食品ロスの削減を推進する法律になります。食品リサイクル法では事業者を食品関連事業者と特定されておりましたが、食品ロス削減推進法では、事業者に関しては明示されておらず、特定もされておりません。
食品事業者だけでなく、様々な事業者を対象にしているかのではないかと、推測しております。なぜなら、各業界の境界線が曖昧になっているからです。食品事業者だけが食品を扱う時代では無くなり、服などを置くセレクトショップのアーバンリサーチがジャムなどを販売しています。そのような時代の変化があり、明示しなかったのではと推測しております。
食品ロス削減推進法のポイント
食品ロス削減推進法のポイントをまとめております。
- 食品ロス削減推進法が規定する食品は、医薬品、医薬部外品は除く食品全般のこと。
- 食品ロス削減推進法では、国・地方自治体、事業者の責務だけでなく、消費者の役割も規定されている。
- 食品ロス削減月間は10月に設定。
食品ロス削減推進法をより詳しく、8つの要点をまとめております。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
低所得者に配慮 「軽減税率制度」
2019年10月より、消費税率が10%に引き上げられる予定です。消費税率引き上げに伴い、低所得者に配慮する観点(逆進性)から、軽減税率制度を実施されることになりました。逆進性とは、消費税を上げると、低所得者に対する生活必需品の購入額の割合が大きくなり、高所得者に比べて税負担率が大きくなってしまいます。
そのため、政府としては逆進性を危惧し、生活必需品に該当される食品(外食、酒類除く)を8%の据え置きに決めたとのことでした。
軽減税率制度の対象品目に関して
軽減税率制度の対象品目に関してをまとめております。
- 食品(食品表示法に規定される)
- 新聞(定期購読契約が締結された週2回以上発行される)
●関連記事→食品表示法における食品とは?生鮮食品(調整、選別)、加工食品(製造、加工)の定義を押さえておこう。
←運営者 daiは食品表示検定中級を取得しており、「やさしい食品表示ラボ」も運営しておりますので、よろしければこちらもどうぞ。
食品表示法に規定される食品のため、酒類や医薬品、医薬部外品は除きます。その上、軽減税率の対象品目の定義が、「飲食料品の譲渡」のため、単なる食品の購入を指し示し、外食は対象外になります。なぜなら、外食の場合、サービスの提供(役務の提供)を含んでいるため、譲渡ではないとのことになります。
軽減税率制度をより詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。財務省主税局税制第二課の所属の方の公式セミナーにも出席し、理解はそれなり深めてきた、食品業界従事者daiが本気でまとめました。
最後に
今回は、日本の食品ロスについて学びたいなら、少なくとも押さえておきたい3つの法律についてまとめてみました。
食品業界で働く人間であれば、少なくとも食品業界の関連する法律を押さえておきたいですね。押さえてなければ、社会的変化についていけず、時代遅れの人間になってしまいます。
僕自身は、長期的に活躍できるビジネスマンでありたいと思っております。そのために、社会の変化を確実に押さえておくことがいついかなる時代になっても、継続して成果をあげられるのではないかと思っております。もちろん、社会構造の変化によってビジネスマンに求められるスキルも変化すると思いますので、様々な引き出しを持って対応できるように日々淡々と勉強していきます。
フードロスに向き合う様々なサービスに関して、独自にまとめたページはこちらになります。ご関心があれば是非どうぞ^^
「食彩life」の運営者 dai が食品業界を分析した内容を無料で配布しております。
令和時代に向けて是非とも知っておきたい食品業界情報になりますよ。
食品業界の実態・トレンドを知ることで、食品業界の知識の向上に役立たせることができます。また、食品業界を目指している方にとって、食品メーカーで従事していた生の意見(一次情報)を知ることができます。
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