どうも。食品系メディアを複数を運営している dai です。(プロフィールはこちら!運営メディアはこちら!「食彩life」「やさしい食品表示ラボ」「食品OEM・PBポータルサイト 食彩名鑑」)
皆さんは食品メーカーの業務についてどのような印象をお持ちでしょうか?今まで食品メーカーの営業職についてまとめてみました。
今回は、食品メーカーの職種(営業以外)についてまとめてみたいと思います。僕自身、食品メーカーを2社で勤務したことがあります。その上、大学でも北海道で食品を専攻しておりました。一部見方にバイアスがかかっておりますが、個人に意見だと思って暖かく見ていただけたら幸いです。
業務としては、営業職(業務用)で勤務していました。ユーザーのPB商材の開発などがあり他部署のやりとりが多い部署で働いていました。また、一部食品メーカーも担当しており、食品メーカーの業務の流れを理解していると思います。
食品メーカーの5つの職種

食品メーカーの5つの職種は下記の通りになります。営業職以外になります。基本的な5つの職種があり、名称が違ったりしますが最低限下記の仕事があります。
- 研究職
- 資材職
- 品質保証職
- マーケティング職
- 発注関連職
研究職について
研究職は食品メーカーを勤務する方では志望者の多い分野ですね。
実際、自分が携わった商品が発売すればやりがいも大きいですし。ただし、その商品を実現するためにも様々な部署に分かれています。
研究職の主な仕事内容
研究職の主な仕事内容は下記の通りになります。
- 新規商品の開発、原価試算
- 新規素材の研究(基礎研究)
- 新規技術の開発 etc
中小企業の食品メーカーの場合は、新規商品に開発が主であると思います。商材によって新規素材の研究に注力している場合もありますよね。大手企業の場合は、新商品を発売するために、新規技術の開発もする場合があります。
一般的な会社であれば、 自社(or委託先)で製造できる商品を前提 にして商品設計を踏まえて開発しますが、そこを踏まえずに開発することが資金力のある大手ならではですね。会社の大小によって、規模感が変わってきます。
資材職について
資材職とは会社により業務の割合は違っていたりしますが、下記の通りに考えています。
資材職の主な仕事内容
資材職の主な仕事内容は下記の通りになります。
- 資材の管理、発注、価格折衝、新規登録
- 原料の管理、発注、価格折衝、原料切り替え、新規登録 etc
資材とは何かと言うと、商品を設計する上で必要な資材になります。例えば、ビールを考えて見るとわかりやすいですよね。
- ビール350ml(24缶入):缶、ダンボール
- 化粧箱のあるカレー:袋(レトルトパウチ)、化粧箱、ダンボール→例をあげれば、咖喱屋カレー <中辛>(ハウス食品株式会社)、ボンカレー(大塚食品)等
各商品によって、構成する資材は違います。
それらをロスなく管理し、発注し、無理のない生産を心がけます。どのようにロスなく管理するかというと、営業から出てくる販売数量予測から資材の管理していきます。これに応じて生産も決定されますね、数量により、資材がショートする可能性があると資材の発注(仕掛り)をし、そうでなければ次月に持ち越します。
しかし、あくまで予想です。確実性のあるものではなく、各個人の営業が管理しております。ここでこの場合、予期せぬ販売が増えた場合、資材が間に合い製造ができれば問題ないのですが、そうでなければ、欠品してしまいます。
復旧が見通せない場合は一次的に休売になります。よく巷を賑わしておりますが、欠品商法(品薄商法)と言われますが、この資材が間に合わないため製造できないと分析しております。決して意図的ではないと考えます(だってチャンスロスにつながるし、売れた方が良いよね。)
一部大手メーカーでは、需給調整をシステムによりしていていました。森永製菓チョコモナカジャンボです。(「ガイアの夜明け/異変の夏…〝激闘″シェア争い!」放映より放送)
気象リスクを踏まえた上での需要予測をしていました。
美味しさを守るため鮮度の追求にもつながりますし、大事なことだと思います。しかし、最後に決断するのは、システムではなく、人なのです。決断するための根拠作りにしかなりません。数字やデータ、状況を複合的に見極める力を養わないと、結局はうまく使いこなせないのであくまでこの部分は今後も人が担っていくと思います。
品質保証職について
食の安全、安心を確保するため重要な部門です。
品質保証職の主な仕事内容
品質保証職の主な仕事内容は下記の通りになります。
- 製品(自社、PB製品)の各種書類の対応(品質規格書、eBASE等)
- 安全品質パトロール(自社工場、委託先)
- 委託先の監査、自社工場の監査立会い
- 食品表示などの法律対応
- 申し出に対する対応 etc
食の安全性の高まりから仕事も多岐にわたり、今後も増えてくると思われます。食品表示法による表示基準、原産地表記など社内の自社基準を策定しないといけない。(もちろん法律に照らし合わして)今後もこの分野の専門性のある人材が求めれらますね。
品質保証職では、食品表示に関する知識やアレルゲンの知識はもちろん必要になります。
僕自身は営業ですが、惣菜管理士一級取得、食品表示検定中級取得しており、提案する際に使用しております。取得しておいて損はない資格といえます。特に品質保証職では、食品表示検定がオススメです。
マーケティング職について
新しい商品を生み出していくために、各種の分析・調査資料をもとに新商品の企画立案を行う。各部署が持つ独自の知識を組み合わせて、市場に確認しながら、協議し商品化に向けて邁進します。一部大手メーカーだけ部門だと思います。
部門がなく各部門の人間が新商品開発会議に出席することにより、対応している中小企業があります。各部門代表の意見として参加する場合ありますね。
発注関連職について
商品の注文、着日の連絡、遅延の対応などを行う部門になります。ただし、何かトラブルがあれば、担当の営業マンに取り次いだりします。落とし所や折衝は営業の仕事であるかと思います。営業マンとして、トラブルに対しても柔軟に対処しよう。
最後に
今回は、食品メーカーの5つの職種(営業以外)についてまとめてみました。
様々な部署があり、一つの商品が発売するには様々な部署や人が携わっております。一つボールを確実にゴールに向けて繋げていくようにしないといけません。もちろん、道中でトラブルもあるでしょう。
しかし、新商品を立ち上げる窓口である営業マンであれば、商品に対する発売日に逆算しながら全体図を描き、対応・対処していかなければなりません。戸惑っていたり、行動しなければ何も解決しません。常に発売から逆算しながら動くのです。より円滑にボールを回せるように。
参考になれば幸いです。