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食品リサイクル法について法律対象など、8つの要点にわかりやすくまとめてみた【食品従事者が記載】

    
食品リサイクル法について法律対象など、8つの要点にわかりやすくまとめてみた【食品従事者が記載】 アイキャッチ
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食品リサイクル法について法律対象など、8つの要点にわかりやすくまとめてみ...

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どうも。「食彩life」「やさしい食品表示ラボ」を運営している dai です。プロフィールはこちら//食品業界情報はこちら

 

食品リサイクル法についてご存知でしょうか?

2019年に「食品ロス削減推進法」が成立しましたが、2000年に食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)は制定されております。食品業界に従事している方やフードロスに関する情報をウォッチしている方は是非とも知っておくべき内容になります。

 

今回は、食品リサイクル法について対象・要点をできる限りわかりやすくまとめたいと思います。世界が持続可能な社会に変容して行く中で知っておいて損はない法律と思われます。

 

本記事で学ぶ内容

  • フードロスについてわかる。
  • 食品リサイクル法についてわかる。
  • 食品産業における再生利用等実施率の推移がわかる。

 

フードロスとは?

Foodlossとは  ④

 

食品リサイクル法の説明をする前にフードロス(食品ロス)について説明します。

 

フードロス(食品ロス)とは、食べるために作られた食料が、失われたり捨てられたりしてしまうことを指します。サプライチェーンの流れの中で、まだ食べられるにも関わらず、様々な理由で失われたり、捨てれられたりしています。フードロスの定義は様々ですが、このHPでは、フードロスを環境省や農林水産省が用いられているように「食べられる食べ物が捨てられること」という意味で使用しております。

 

2015年に国連の「持続可能な開発サミット」で採択された2016年から2030 年までの国際目標の中で、食品ロス関係の記載があり、持続可能な生産消費形態を確保する目標を掲げております。

 

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる、とのことでした。

 

日本のフードロスは年間643万トン。そのうち家庭から291万トンが発生

実際、日本ではまだ食べられるのに捨てられてしまっている、フードロス量は、643万トンと推計されております。(2016年度)

 

食品ロス量(平成28年度 推計値)

 

まだ食べられるものが捨てられてしまう問題、フードロスについて、社会全体が考えていかなければならない課題になります。日本のフードロスののうち291万トンが、消費段階の家庭で発生していると言われており、一人一人が行動の見直しがフードロスを減らしていく上で必要になります。

 

さらに、フードロスに関して深く知りたい方はこちら。

 

食品リサイクル法について知っておきたい8のこと

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)とは、食品廃棄物の発生抑制と再生利用を促進するために、基本事項をまとめた法律になります。食品リサイクル法について知っておきたいことを要約してみました。

 

食品リサイクル法について知っておきたい8のこと
  1. 食品リサイクル法の目的
  2. 食品リサイクル法が成立した社会的背景
  3. 食品リサイクル法で規定される事業者対象
  4. 食品リサイクル法で対象となる食品
  5. 食品リサイクル法で対象となる食品廃棄物
  6. 食品リサイクル法で設定される食品廃棄物等の再生利用の目標
  7. 食品リサイクル法で規定される食品事業者の責務
  8. 食品リサイクル法で規定される優先順位 

 

 

食品リサイクル法の目的

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)の目的は次の通りになります。要するに、国が食品関連事業者が取り組むべき事項に関してまとめた法律になります。

 

  • 売れ残りや食べ残し、または、製造過程で発生する食品廃棄物の発生抑止と減量化
  • 飼料や肥料等の原材料として再生利用の促進 

 

食品リサイクル法が成立した社会的背景

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)が成立した社会的背景について下記の通りになります。

 

  • 大量の食品ロス:まだ食べることのできる食品が様々な段階で日常的に廃棄されている(→上記フードロスとは参照)
  • 食品ロス発生の実態把握が不十分。
  • →商取引による慣習:1/3のルールの納品期限、小規模の事業が多数分散して存在しており、把握が必要。
  • 持続可能な開発:地球環境の負荷を軽減
  • 食品廃棄物の廃棄費用、分別コストの問題 

 

食品ロスは、生産、流通、販売、消費と流通段階において原因が潜んでおり、原因の特定化が難しい問題です。それでも、国として、食品ロスの発生状況をより実態に即して把握し、数値化することにより国民意識の向上を目指しております。

 

食品リサイクル法で規定される事業者対象について

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)が規定される事業者対象は、食品関連事業者になります。食品リサイクル法で規定される食品関連事業者は下記の定義に該当するものになります。

 

◉食品関連事業者とは

  1. 食品の製造、加工、卸売又は小売を業として行う者
  2. 飲食店業その他食事の提供を伴う事業として政令で定めるものを行う者

引用: 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 第2条

 

例えば、下記の事業者が挙げられます。

1:食品メーカー、八百屋、百貨店、量販店、問屋など
2:食堂、レストラン、ホテル、旅館、結婚式場、居酒屋、レストラン船など

 

食品表示法に規定される食品関連事業者との関連性がありますね。食品表示に関心があればこちらもご覧ください。

●関連記事→食品関連事業者とは?食品表示法における3区分、食品関連事業者以外の販売者をまとめたよ。

←運営者 daiは食品表示検定中級を取得しており、やさしい食品表示ラボ」も運営しておりますので、よろしければこちらもどうぞ。

 

食品リサイクル法で対象となる食品とは

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)で規定される食品の定義はこちらになります。

 

食品とは、飲食料品のうち医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品以外のもの。

 

つまり、食品表示法に規定されている食品であることがわかりました。食品表示法で規定される食品に関しても、医薬品、医薬部外品は除く食品全般になります。

 

食品リサイクル法で対象となる食品廃棄物とは

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)で規定される食品廃棄物の定義はこちらになります。

 

◉食品廃棄物等とは

  1. 食品が食用に供された後に、又は食用に供されずに廃棄されたもの
  2. 食品の製造、加工又は調理の過程において副次的に得られた物品のうち食用に供することができないもの

引用: 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 第2条

 

例えば、下記の事業者が挙げられます。

1:食品の売れ残りや食べ残し
2:製造・加工・調理の過程において生じたくず・残さ

 

家庭から排出される生ごみは対象外になります。

 

食品リサイクル法で設定される食品廃棄物等の再生利用の目標

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)では、食品関連事業者が再生利用等に取り組むための再生利用等実施率や基準実施率を設定されております。

 

●目標年度:平成31年度

食品関連事業者 目標
食品製造業 95%
食品卸売業 70%
食品小売業 55%
外食産業 50%

 

あくまで、上記目標値は、食品関連事業者に対して個別に義務づけるものではなく、その業種全体での達成を目指す目標になります。

 

食品従事者 dai の分析

食品製造業と外食産業の目標値に差があるのは、食品流通において川下に至るほど食品の分別が難しくなり、実施率が低下しているからです。

 

下記は食品産業における再生利用等実施率の推移になります。過去の実績から目標値を設定しております。外食産業の目標は高すぎるのでは…と思ってしまいます。

 

食品リサイクルの現状/農林水産省 食品産業における再生利用等実施率の推移(出典:食品リサイクルの現状/農林水産省

 

食品リサイクル法で規定される食品関連事業者の責務

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)では、食品関連事業者の責務を規定されております。

 

責務
食品関連事業者 食品廃棄物などの再生利用(発生抑制、再生利用、減量)などを実施。

 

また、年間の食品廃棄物などの発生量が100トン以上の事業者は、国へ食品廃棄物等の発生量や食品循環資源の再生利用等の状況を報告することが義務付けられております。

 

食品リサイクル法で規定される優先順位

食品リサイクル法(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)では、優先順位が設定しております。

 

食品リサイクル法で規定される優先順位

 

そもそも、食品廃棄を減らしてしてしまえば、再利用といった課題は無くなりますので適正な数量の生産を行うべきですね。

 

食品業界のリアル

小売が持っているバイイング・パワー(buyinng power)が強大すぎて欠品できない、等の事情があり、食品メーカーには多めに生産せざる得ない状況がありますね。僕自身、食品メーカーの営業マンとして数字を作っておりますが、欠品などのトラブルは取引がなくなる可能があるために、非常に難しい問題だと感じます。もちろん、生産と販売のバランスを心がけてはいますが。

 

まとめ

今回は、食品リサイクル法について対象・要点をできる限りわかりやすくまとめたいと思います。

 

2019年に食品ロス削減推進法が成立された機会に、食品リサイクル法を学んでみましょう。食品業界のリアル・課題がわかりますよ。この問題をビジネス展開し、素晴らしい解決策であれば世の中を変えるサービスになりうるかもしれません。そんなサービスがリリースされるのを心待ちにしております。

 

ここがポイント

  • 食品リサイクル法が規定する食品は、医薬品、医薬部外品は除く食品全般のこと。
  • 食品リサイクル法では、食品関連事業者が対象になります。
  • 食品流通において川下に至るほど食品の分別が難しくなり、再生利用等が低下する。
  • 優先順位は、発生抑制、再生利用、熱回収、減量です。

 

フードロスに向き合う様々なサービスに関して、独自にまとめたページはこちらになります。ご関心があれば是非どうぞ^^

 

「食彩life」の運営者 dai が食品業界を分析した内容を無料で配布しております。

令和時代に向けて是非とも知っておきたい食品業界情報になりますよ。

食品業界の実態・トレンドを知ることで、食品業界の知識の向上に役立たせることができます。また、食品業界を目指している方にとって、食品メーカーで従事していた生の意見(一次情報)を知ることができます。

食品メーカーの営業マンが語る 食品業界の 6つの実態

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