どうも。食品系メディアを複数を運営している dai です。(プロフィールはこちら!運営メディアはこちら!「食彩life」「やさしい食品表示ラボ」「食品OEM・PBポータルサイト 食彩名鑑」)
今回は、惣菜管理士1級の科目「惣菜工場のHACCP管理」で最低限知っておきたい7のことについて記載したいと思います。このHACCPはかなり難しかったですよ。ちなみに僕自身は1級の資格を持っております。過去問は手に入りませんので、「添削問題」や「惣菜管理士試験問題集」をみて学習するしかないです。
惣菜管理士3級や2級に比べるとぐっと難しくなりますが、しっかり勉強すれば受かりますよ。

惣菜管理士一級について

まず惣菜管理士一級について記載します。
惣菜管理士一級の試験範囲
試験コンセプト:経営と管理
レベル:高度な専門知識、工場長・管理レベル
上記のリンク先には各科目ごとに、最低限の暗記すべき項目を独自にまとめておりますよ^^
【2021年度10月開講分よりカリキュラムの改訂】
2021年度10月開講分より惣菜管理士1級のカリキュラムが変更になります。ただし、2019年10月開講分、2020年10月開講分の1級受験者の方は従来の科目での試験になりますので、ご留意ください。
受講に当たって感想(2017年)
該当年の試験に関して記載いたします。他の級より暗記事項は増え、理解するのに時間がかかります。また、一級から計算問題があり、その計算式を理解するのに時間がかかります。また「惣菜管理士問題集」のみの勉強で受かることは難しいかもしれません。通信教育の問題も目を通すことは必須だと思います。
「惣菜工場のHACCP管理」「食品の官能評価」は今回難易度が高かったように感じました。特に、HACCPの知識、官能評価での統計問題、損益分岐点などの計算問題などしっかり理解しておかないと、問題に対応できないと思います。
僕自身の勉強時間は適正でしたが、理解・暗記進捗が想定より遅く、勉強開始月が早めるべきだったと思いました。
- 勉強開始:試験2週間前から
- 平日の通勤時間:30分×2回、帰宅して時間があれば30分
- テスト前週の土日:各3時間
- テスト前日:3時間
2018年惣菜管理士資格試験合格者および合格率
2018年惣菜管理士資格試験合格者及び合格率は、下記の通りになります。
級別 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
一級 | 739名 | 606名 | 82.0% |
二級 | 1,032名 | 910名 | 88.2% |
三級 | 1,992名 | 1,616名 | 81.1% |
合計 | 3,763名 | 3,132名 | 83.2% |
「惣菜産業新聞JMニュース 2018.8.1発行」引用
ここから各単元ごとに暗記項目を記載しておきます。今回は、惣菜工場のHACCP管理になります。(独自の暗記項目ですが、試験範囲内なんで最低限暗記しておくことは好ましいですよ)
「惣菜工場のHACCP管理」で最低限覚えておきたい7のこと
惣菜工場のHACCP管理で最低限覚えておきたい7つのことは、下記の通りになります。
レトルト食品の殺菌条件に適した菌について
レトルト食品の殺菌条件に適した菌に関して、下記の通りになります。
HACCPの基礎的特徴について
HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Point の略で、危険要因分析と必須管理点が直訳になります。品質面ではなく、安全面に着目した考え方になります。
HACCPにおけるハザードに関して
ハザード(危険要因)とは、 健康に悪影響をもたらす原因となる可能性のある食品中の物質または食品の状態 のことです。HACCPではハザードを3つ種類に分類しております。
種類 | 特徴 |
生物的ハザード | ウイルスや細菌、寄生虫などで 食中毒の原因となるもの。 |
化学的ハザード | 化学的物質で人が摂取すると、 病気を引き起こすもの。 |
物理的ハザード | 食べた人に怪我をさせたり、 食べた人のは歯を欠いたりするもの。 |
<各々のハザード具体例>
- 生物的ハザード:ノロウイルス、腸管出血性大腸菌O157、アニサキス
- 化学的ハザード:殺虫剤、洗剤、きのこ毒、フグ毒、アレルギー物質(アレルゲン)
- 物理的ハザード:ガラス片、金属片、小石
前提条件プログラムとHACCP計画の管理の違いについて
前提条件プログラム(Prerequisite Program,PRPまたはPPと略す)とは、 安全な食品を生産するための基礎的な衛星管理項目 のことを言います。例えば、従業員の手洗い、ペスト(ゴキブリ、ネズミなどの有害小動物)の対処、製品や原材料の保管などがある。
前提条件プログラムとHACCP計画の違い
前提条件プログラムとHACCP計画の違いは下記の通りです。
<前提条件プログラム> | <HACCP計画> |
食品安全を 間接的に扱う | 食品安全を 直接的に扱う |
複数の生産ラインや 工場全体にわたる | 1生産ライン(1製品)に 1つの計画をつくる |
比較的重要度の低い ハザードを扱う | 深刻なハザードを扱う |
失敗が食品安全の脅威になる ことは滅多にない | 逸脱は食品安全の脅威に なりうる |
HACCP計画を作成するために
HACCP計画を作成するためには、5つの手順と7つの原則から成立している。5つの手順の後で、HACCP計画は7つの原則に沿って作成される。
5つの手順
- HACCPチームを組織する。
- 食品(製品)を記述する。(安全性に関すること)
- 食品(製品)の意図する使用法と流通を決める。
- フロー・ダイアグラム(フロー・チャート)を記載する。
- フロー・ダイアグラム(フロー・チャート)を現場で検証する。
7つの原則
- ハザードの分析(HA、Hazard Analysis)
- 重要管理点(CCP、Critical Control Point)の確立
- 許容限界の確立
- CCPのモニタリング方法の確立
- 許容限界の逸脱に対する是正措置の確立
- 検証手段の確立
- 記録し、文書化する手段の確立
厚生労働省のページからわかりやすい画像がありましたので、こちらでHACCPの流れをイメージしよう。

引用:『食品製造におけるHACCP入門のための手引書/厚生労働省』

引用:『食品製造におけるHACCP入門のための手引書/厚生労働省』
モニタリングについて
モニタリングとは 、CCPが許容限界(管理基準)にあるか否か確認するために行う観察、測定、試験検査 のことをいいます。
- モニタリングの実施者
- モニタリングの頻度
- モニタリングする方法
- モニタリングする対象
是正措置について
是正措置とは 、CCPにおけるモニタリングの結果、パラメーターが許容限界(管理基準)を逸脱した時に行うべき措置 のことをいいます。安全な食品だけを出荷する手順が是正措置で、その内容を事前に決めておき、文書化しておくことが必須である。逸脱した商品がすべて廃棄しなければならないわけではない。(安全性が確保されれば出荷できる)
【追記】「惣菜工場のHACCP管理」を突破する5つの勉強手順
HACCPは鬼門ですよね。HACCPの科目を突破する勉強法はまとめてみましたよ。僕は、5つの勉強手順で行いました。ぜひ参考にして頂ければと思います。
最後に
今回は、惣菜管理士1級の科目「惣菜工場のHACCP管理」で最低限知っておきたい7のことについて記載いたしました。
HACCPの知識に関しては付け刃の知識では危険のため、全体の理解を深めれるようにテキスト中心もしくは厚生労働書のHPを参考にしながら理解を深めてください。
惣菜管理士一級を受験される方にとって、参考になれば幸いです^^業務をしながらの受験になるかと思いますが、効率的に勉強しましょう。