【食品業界関係者必見】2018年7月集中豪雨災害における特例措置とは?消費者庁の通知をまとめてみたよ。
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どうも。「食彩life」「やさしい食品表示ラボ」を運営している dai です。(プロフィールはこちら//食品業界情報は→こちら)
2018年7月、西日本で未曾有の集中豪雨が起こり、各地で甚大な被害を与えてしましました。被災地の方々の1日でも、平穏な生活が取り戻せるように心から祈っております。
今回は、消費者庁が通知した2018年7月集中豪雨災害における特例措置についてまとめてみました。
僕は食品メーカーで勤務しており、委託している協力工場が被災してしまい、影響がありました。関係者は無事で安心しましたが…
正直、消費者庁の通知に関しても、国の見解、社内の見解、お得意先様の見解もありますので、なかなか一筋縄でいきませんが、少しでも早く被災されたエリアでの食品の製造ができるように復旧を祈っております。
かなり専門的な内容のため、なるべく簡易な表現を使用するように心がけて記載したいと思います。
消費者庁の通知内容(2018年7月13日-19日まで)
平成30年7月豪雨を受けたことによる消費者庁の通知に関しては下記の通りになります。2018年7月13日から19日の間に、5件の通知をされております。
◉平成30年7月豪雨に関する消費者庁の通知
- 食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について(7/13)
- 乳児用液体ミルクの取扱いについて(7/13)
- 製造所固有記号の表示の運用について(7/17)
- 食品表示の弾力的運用を踏まえた周知チラシについて(7/18)
- 製造所の表示の運用について(7/19)
公式の書面に関しては上記リンクから見ることができます。
僕の方で重要な部分に関して抜粋・要約しております。
※現在は確認することができません。
食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について
平成30年7月13日に通知した内容になります。
消費者庁、農林水産省、厚生労働省との連名で、災害救助法の適用を受けた被災地において、食品表示基準を弾力的に運用する(特例的に運用する)ことを通知する内容になります。
食品メーカー関係者による要約
- 被災地への食料の円滑の供給が重要な課題。
- 災害救助法の適用を受けた被災地*において、譲渡または販売される食品に関して、必ずしも食品表示基準にも基準に基づく義務表示事項の全てが表示されていなくても、当分の間、問題ないよとのこと。
- ただし、アレルギー表示および賞味期限に関しては、守ってねとのこと。(守ってなかったら取り締まるよ、とのこと。)
平成30年7月豪雨による災害にかかる災害救助法の適用を受けた被災地とは、全国で 11府県62市38町4村で、都道府県では、高知、鳥取、広島、岡山、京都、兵庫、愛媛、岐阜、福岡、島根、山口になります。
参考:平成30年7月豪雨による災害にかかる災害救助法の適用について【第15報】/内閣府(防災担当)平成30年7月25日
もちろん、食品の安全性に係る情報伝達について十分な配慮がなされていると判断されるとともに、消費者の誤認を招くような表示をしていない場合に限りますよ。
悪質な違反に関しての消費者庁の見解
消費者庁は、悪質な違反に関しては下記の通り、警鐘を鳴らすしておりますよ。
消費者の誤認を招くような悪質な違反についての取締りを排除するものではない。悪質な違反については、引き続き、関係機関とも連携した取締りを行うようお願いする。
乳児用液体ミルクの取扱いについて
平成30年7月13日に通知した内容になります。
消費者庁は、災害救助法の適用を受けた被災地において、特別用途食品制度を弾力的に運用する(特例的に運用する)ことを通知する内容になります。
具体的には、乳児用液体ミルクに関しての内容になります。
食品メーカー関係者による要約
- 本来、特別用途食品は消費者庁長官の許可が必要。
- 被災地への食料の円滑の供給が重要な課題。
- 災害救助法の適用を受けた被災地*において、譲渡または販売される母乳代替食品としての用に適する旨を表示した乳児用液体ミルクについて、特別用途食品制度における許可及び承認を受けていない場合も、当分の間、問題ないよとのこと。
- ただし、アレルギー表示および賞味期限に関しては、守ってねとのこと。(守ってなかったら取り締まるよ、とのこと。)
平成30年7月豪雨による災害にかかる災害救助法の適用を受けた被災地とは、全国で 11府県62市38町4村で、都道府県では、高知、鳥取、広島、岡山、京都、兵庫、愛媛、岐阜、福岡、島根、山口になります。
参考:平成30年7月豪雨による災害にかかる災害救助法の適用について【第15報】/内閣府(防災担当)平成30年7月25日
こちらに関しても、食品の安全性に係る情報伝達について十分な配慮がなされていると判断されるとともに、消費者の誤認を招くような表示をしていない場合に限りますよ。
製造所固有記号の表示の運用について
平成30年7月17日に通知した内容になります。
消費者庁は、平成30年7月の豪雨により被災し、稼動できない工場(製造所)において、製造所固有記号の取り扱いの特例として、他の工場(製造所)で例外的に使用できることを通知する内容になります。
食品メーカー関係者による要約
- 本来、製造所固有記号では、申請された工場でしか生産できないことが規定されている。
- 稼動できない工場があり、食料の円滑の供給が重要な課題。
- 当分の間、平成30年7月豪雨において災害救助法の適用を受けた被災地の工場(製造所)で製造していた食品について、他の製造者や製造所に委託する場合にあっては、別添届出様式を用いてFAXにより消費者庁食品表示企画課へ届け出ることにより、実際の製造所の所在地及び製造者の氏名と食品に表示された製造所の所在地及び製造者の氏名とが異なることとなっても問題ないとのこと。
別添届出様式に関しては上記リンクから見ることができます。「平成30年7月豪雨を受けた製造所固有記号の表示の運用について/平成30年7月17日」の書類になりますよ。
※現在はダウンロードできません。
6種類の別添届出様式について
- 様式第1号(旧制度 自社の製造所で製造している事業者用)
- 様式第2号(旧制度 他者の製造所に製造委託している事業者用)
- 様式第3号(旧制度 乳、乳製品及び乳又は乳製品を主要原料とする食品用)
- 様式第4号(新制度 自社の製造所で製造している事業者用)
- 様式第5号(新制度 他者の製造所に製造委託している事業者用)
- 様式第6号(新制度 乳、乳製品及び乳又は乳製品を主要原料とする食品用)
合計6種類の書類がありますが、旧制度か新制度により申請書類が異なります。ご注意ください。新制度とは、食品表示法になりますよ。別添届出様式に関しては上記リンクから見ることができます。「平成30年7月豪雨を受けた製造所固有記号の表示の運用について/平成30年7月17日」の書類になりますよ。
※現在はダウンロードできません。
消費者からのお問い合わせに関する消費者庁の見解
また、消費者からの製造所などのお問い合わせの際には、実際に製造された製造所の名称及び所在地を回答するように、してほしいとの消費者庁のお達しがありました。
この特例的な対応に関する食品従事者 dai の意見
正直、消費者庁はこの判断をせざる得ないと思っておりました。(社内で聞くところによると、東日本大震災の際もこのような対応があったそうです。)
なぜなら、包装された加工食品には、事前に製造所固有記号などの食品情報を印刷されており、他の工場では使用することができません。
つまり、この特例措置がなければ、新たに版を起こし、再度包材を注文しないといけません。僕は、レトルト関連のPB商品を日々企画・提案しておりますが、包材(パウチ)を一から仕掛かりすると、少なくとも1ヶ月程度の時間が必要になります。
もちろんそれに包材を新たに注文した際、新たに費用も発生します。
そのような経済的ロスを避けるために、消費者庁は横断的に判断したとのことでした。このような対応がないと、食品メーカーは食品を作りたくても作れない状況を孕んでおりました。
食品表示の弾力的運用を踏まえた周知チラシについて
平成30年7月17日に通知した内容になります。
消費者庁、農林水産省、厚生労働省は、「平成30年7月豪雨を受けた食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について」(平成30年7月13日付)を関係自治体に通知したとのことで、別添のチラシ管内全避難所の管理者への通知をしてほしいとのことでした。
別添届出様式に関しては上記リンクから見ることができます。「食品表示の弾力的運用を踏まえた周知チラシについて/平成30年7月18日」からダウンロードできますよ。
※現在はダウンロードできません。
食品メーカー関係者による要約
災害救助法の適用を受けた被災地において、食品表示基準を弾力的に運用する(特例的に運用する)ことを通知する内容になります。
- 災害救助法の適用を受けた被災地*において、食品表示ルールの特例的な運用を行っている。
- ただし、アレルギー表示および賞味期限に関しては、従来通り表示されます。
周知チラシについて
◉周知チラシ
別添届出様式に関しては上記リンクから見ることができます。「食品表示の弾力的運用を踏まえた周知チラシについて/平成30年7月18日」からダウンロードできますよ。
※現在はダウンロードできません。
製造所の表示の運用について
平成30年7月19日に通知した内容になります。
消費者庁は、平成30年7月の豪雨により被災し、稼動できない工場(製造所)において、製造所の表示の取り扱いの特例として、当分の間、被災地の工場(製造所)で製造していた食品については、他の工場(製造所)で例外的に使用できることを通知する内容になります。
食品メーカー関係者による要約
- 本来、製造所の表示では、記載された工場でしか生産できないことが規定されている。
- 稼動できない工場があり、食料の円滑の供給が重要な課題。
- 当分の間、別添届出様式を用いてFAXにより消費者庁食品表示企画課へ届け出ることにより、平成30年7月豪雨において災害救助法の適用を受けた被災地の工場(製造所)で使用していた記号を他の工場(製造所)に例外的に使用できる。
別添届出様式に関しては上記リンクから見ることができます。「平成30年7月豪雨を受けた製造所表示の運用について/平成30年7月19日」の書類になりますよ。
※現在はダウンロードできません。
別添届出様式について
- 様式(平成30年7月19日消食表第401号関係)→平成30年7月豪雨に伴う異なる製造所が記載された包材の使用届
別添届出様式に関しては上記リンクから見ることができます。「平成30年7月豪雨を受けた製造所表示の運用について/平成30年7月19日」の書類になりますよ。
※現在はダウンロードできません。
消費者からのお問い合わせに関する消費者庁の見解
また、消費者からの製造所などのお問い合わせの際には、実際に製造された製造所の名称及び所在地を回答するように、してほしいとの消費者庁のお達しがありました。
この特例的な対応に関する食品従事者 dai の意見
平成30年7月17日に通知された製造所固有記号の特例処置があれば、製造所固有記号対応せずに、製造所を記載している包材に関しても対処してほしいとの意見が食品メーカー内外から声が上がっておりました。
そのため、製造所でも特例対応ができ、わざわざそのための包材を印刷しなくて済むため、経済における影響も少しは和らぐのではないか…と思われます。
最後に
今回は、消費者庁が通知した2018年7月集中豪雨災害における特例措置について本気でまとめてみました。
なかなか難易度のある内容ですが、食品メーカーの関係者はこの内容をしっかりと理解し、対応する必要があります。なぜなら、商品が欠品する可能性があるからです。僕自身もしっかり対応しております。
1日でも早く被災に遭われた方の日々の生活が戻りますように…
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令和時代に向けて是非とも知っておきたい食品業界情報になりますよ。
食品業界の実態・トレンドを知ることで、食品業界の知識の向上に役立たせることができます。また、食品業界を目指している方にとって、食品メーカーで従事していた生の意見(一次情報)を知ることができます。
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