完食すればポイントがつく?食べ残しゼロを目指すCan食(完食-ポン)の4つの魅力的なポイント
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どうも。「食彩life」「やさしい食品表示ラボ」を運営している dai です。(プロフィールはこちら//食品業界情報は→こちら)
2018年は様々なフードロス削減サービスがロンチされて、フードロス元年と謳える年ではないかと個人的には分析しております。2019年もフードロスに関して世間の関心が高まり、ますます活況を帯びております。そんな中、中央大学の学生がフードロスをなくすために企画した「Can食」が社会起業YYコンテスト学生部門(2018年)で優勝されてました。
すごく画期的なサービスで注目しております。このプロダクトを習慣化させ食べ残しゼロの世界を作るために、必要なトリガー(きっかけ)、アクション(行動)、リワード(報酬)が備わっているように感じました。
今回は、「Can食」(完食-ポン)の4つの魅力的なポイントを分析してみたいと思います。「Can食」とは、食べ残しをゼロにするアプリになります。ハマる仕掛けに基づいた仕組みで、非常に優秀な学生さんがいらっしゃるのですね。
「Can食」(完食-ポン)とは
(画像引用:目指せ、食べ残しゼロ。起業して、完食が評価されるサービスを。(井下田 淳 2019/01/23 公開) – クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー) )
「Can食」(完食-ポン)とは、飲食店で食事を完食した写真を投稿することで、クーポンなどがもらえるポイントを貯められるサービスになります。2019年6月にリリース予定になります。
飲食店利用時に、食べ終えた皿の写真をアプリ内で送信することでポイントがたまり、そのポイントがその店舗のクーポンやサービス、商品などに代えることができるようになります。
完食することで消費者にポイントがつき、食べ残しゼロの社会を目指されているとのことでした。また、NPOではなく、株式会社での設立を選択されており、利益を生み、サステイナブルな事業モデルの構築をつくることを目指されております。
【追記】
まだリリースされておりません。
<参考>フードロスとは?
フードロス(食品ロス)とは、食べるために作られた食料が、失われたり捨てられたりしてしまうことを指します。サプライチェーンの流れの中で、まだ食べられるにも関わらず、様々な理由で失われたり、捨てれられたりしています。フードロスの定義は様々ですが、このHPでは、フードロスを環境省や農林水産省が用いられているように「食べられる食べ物が捨てられること」という意味で使用しております。
2015年に国連の「持続可能な開発サミット」で採択された2016年から2030 年までの国際目標の中で、食品ロス関係の記載があり、持続可能な生産消費形態を確保する目標を掲げております。
2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる、とのことでした。
日本のフードロスは年間643万トン。そのうち家庭から291万トンが発生
実際、日本ではまだ食べられるのに捨てられてしまっている、フードロス量は、643万トンと推計されております。(2016年度)
まだ食べられるものが捨てられてしまう問題、フードロスについて、社会全体が考えていかなければならない課題になります。日本のフードロスのうち291万トンが、消費段階の家庭で発生していると言われており、一人一人が行動の見直しがフードロスを減らしていく上で必要になります。
さらに、フードロスに関して深く知りたい方はこちら。
①フードロス(食品ロス)とは?食料ロスと食料廃棄の違いや原因など、食品従事者が徹底的にまとめてみた。
②今から家庭でできる!いち消費者の6つのフードロス対策【食品関係者記載】
③食品業界が取り組むべき8つのフードロス対策とは【現役食品メーカー勤務者が分析】
食品従事者が感じる「Can食」(完食-ポン)の4つの魅力的なポイント
「Can食」(完食-ポン)の事業を調べてみて、僕自身は素晴らしい仕組みだと感じました。魅力的なポイントは、下記の通りになります。
- 完食することでポイントがつき、利用者に完食を導く自然なアクション(行動)がある。
- ポイントがつくことで、利用者にとってリワード(報酬)がある。
- 食べ終えた皿をアプリ内で投稿することが前提のため、自分自身だけでなく、他の利用者のトリガー(きっかけ)になりうる。
- 飲食店に対するマーケティングデータの利用(情報の有効活用)
また、分析に利用した本はこちらです。プロダクトをロンチしたい方は必見ですよ。非常に面白かったです。
★フックモデルはこちらで学ぼう♪
利用者に完食を導くアクションがある。
「Can食」(完食-ポン)には、飲食店で完食を促す、自然なアクションがあります。
食べ終わった料理の写真を撮るだけですからね。実際、食べ始める前に写真撮るのは一般的ですが、食べ終わる時の写真を利用するのはなかなか斬新です。食べ始める前に写真をとっているため、アクションにおける作業量は簡易であります。
また、食べ残しというフードロスをなくすには、消費者のモラルや善意だけで解決できるには限度があるように感じます。僕自身は、食品系の大学を専攻し、食品メーカーに勤務しているため、フードロスに関する意識はきわめて高いですが、全ての方々がそうではありません。
そのため、「Can食」(完食-ポン)では、綺麗に完食するという行為にインセンティブを与えることで、消費者の意思決定を代えるのではないかと考えられております。
僕自身もまさしく、その通りではないかと思いますね。
完食することで利用者には、ポイントというリワード(報酬)がある
「Can食」(完食-ポン)では、飲食店で完食することで、ポイントというリワード(報酬)がもらうことができます。
アプリ内に送信された食べ終えた皿の写真をもとに、運営側で採点し、その結果(食べ残しの有無)に応じてポイントを付与する予定とのことでした。残してしまった場合も、なぜ残したかの理由を明示することで、完食時より少ないポイントの付与されます。
「Can食」(完食-ポン)のポイントとは、店舗のクーポンやサービス、商品などに代えることができるポイントであり、そのポイントが魅力的であればあるほど、「Can食」(完食-ポン)の利用を自然と促すことができます。いかに、魅力的な飲食店とタッグを組むことが課題になりますね。
投稿することが必要のために、サービスを利用するトリガー(きっかけ)になりうる。
「Can食」(完食-ポン)では、アプリ内の投稿することがポイント付与の条件になります。その行為自身が、トリガー(きっかけ)になります。
つまり、写真を投稿することで、利用したことのない他のユーザーが見て利用することを促します。また、写真を投稿した利用者は、一度使うことによって、ポイントが付与されるために、習慣的に利用するきっかけにもなります。
今後、間違いなく実装されると思いますが、利用履歴やポイント履歴、アイコンの通知設定を用いて、利用者の継続性を促せば、さらなる発展が期待できると感じております。
飲食店に対するマーケティングデータの利用(情報の有効活用)
また、「Can食」(完食-ポン)では、食べ終えた皿の写真だけでなく、食べ残した写真も投稿を依頼しているために、食べ残した料理に関する情報を蓄積することができます。その情報を元に、飲食店へのマーケティング活用することができます。
おそらく、「Can食」(完食-ポン)の登録で年齢、性別を記載する箇所があるでしょう。その年齢と性別と、写真のデータを活用することで、料理に関する結果を知ることができます。いくら新商品の評価が社内で高くても、消費者にウケなければ売れません。そのギャップをリアルに確かめることができます。
ユーザーの利用だけでなく、マーケティングデータの販売によってもマネタイズすることができるのですね。素晴らしいマネタイズの仕組みで、本当に恐れ入ります。
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【追記】コラボセミナーをしました
この記事をきっかけに、コラボセミナー『世界のトレンド!? 知っておきたいフードロス(基礎編)』(2019年10月19日開催)を開催しました。
10月は食品ロス削減月間ということもあり、フードロスをメインにお話ししたいと考え、Eight Good 様をお誘いしてみました。
最後に
今回は、「Can食」(完食-ポン)の4つの魅力的なポイントについてまとめてみました。
「Can食」(完食-ポン)について調べれば調べるほど、利用者が習慣的に利用できる仕組みを整っているように感じました。ポイントというインセンティブ、写真投稿という簡易な作業など素晴らしい仕組みですね。
さらに、食べ残した写真も投稿できる仕組みにすることで、飲食店へのマーケティング、コンサルティングも可能になります。非常に隙のないサービスで、社会起業コンテスト「YYcontest2018」で優勝するだけのことはありますよね。
「Can食」(完食-ポン)の発展を心から祈っております。
フードロスに向き合う様々なサービスに関して、独自にまとめたページはこちらになります。ご関心があれば是非どうぞ^^
「食彩life」の運営者 dai が食品業界を分析した内容を無料で配布しております。
令和時代に向けて是非とも知っておきたい食品業界情報になりますよ。
食品業界の実態・トレンドを知ることで、食品業界の知識の向上に役立たせることができます。また、食品業界を目指している方にとって、食品メーカーで従事していた生の意見(一次情報)を知ることができます。
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