食品メーカーを就職する前に知っておきたい8つのこと【元食品メーカー従事者記載】
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どうも。「食彩life」「やさしい食品表示ラボ」を運営している dai です。(プロフィールはこちら//食品業界情報は→こちら)
学生・就活生に人気の食品メーカー。
CMプロモーションによる認知や商品が量販店に販売されていることから馴染みが深いですよね。さらに食品を扱うため安定の印象があり、人気を得ています。サントリー、明治、味の素はいつも上位ですよね。(ちなみに僕は、最終選考で明治に落ちました)
今回は、食品メーカーを就職する前に知っておきたい8のことを独自にまとめてみます。僕自身、大学で食品を専攻し、新卒で一部上場の食品メーカーに採用をもらい、勤務しました。その後別の食品メーカーで勤務した後独立しましたが、ググることのできない食品メーカーの実情をまとめてみました。CMやTVによって、華やかな業界イメージを作られておりますが、全てが全てが華やかな仕事ではありません。
地味な仕事もあれば、大変な仕事、胃が痛くなる仕事もあります。そんな時に自分のビジョンや軸をしっかり持って食品メーカーで働き、活躍して欲しいと願っております。食品メーカーの就職を目指す就活生必見の内容になります。
食品メーカーとは?市場規模とは?
まず、食品メーカーについて説明します。
食品メーカーとは、食品を製造し、販売する会社のことを言います。
牛乳、味噌、カップ麺、しょうゆ、レトルト食品などの商品を製造し、問屋、小売を通じて消費者の元に販売しております。いわゆる、家庭用の販路になり、コンビニやスーパーマーケットに陳列されているため、就活生に馴染みの深いルートになります。ただし、食品メーカーの販路はそれだけはありません。業務用ルートの販路もあり、外食、老健、産業給食、学校給食、食品メーカーへの販売なども行っております。
農林水産省「食品産業動態調査」によると、平成28年(2016年)の食料品製造業における製品出荷額等は、34兆7千億円で、対前年比0.4%と前年並みになります。少子高齢化、単身世帯数の増加、女性の社会進出など人々のライフスタイルが変化している中、時代にあった商品を発売していくことが求められます。
食品メーカーで働くメリット・デメリット
食品メーカーで働くメリットとデメリットをまとめてみました。
- 仕事の安定性
- 仕事としてのやりがいを感じやすい。
- 新商品の情報をいち早くキャッチできる。
- 自社商品を社員価格で購入できる。
特に、僕が食品メーカーで働いて感じたメリットとして、あらゆる産業の営業職の中で相対的に楽な部類ではないかと思います。なぜなら、基本的に前年ベースの数字を引き継ぐからです。
例えば、家を販売する不動産の場合、販売しなければインセンティブが出ません。しかし、食品メーカーの場合、基本的には前年ベースの数字に対して予算が設定され、前年の数字は全く何もしなくても、ある程度残ります。(カットされていれば別ですが)もちろん、新規の売上を作ることは必要不可欠ですが、前年ベースの売上を減らさずに開拓していけば、予算を達成できます。
もちろん、営業としての基礎能力や食品業界慣習の理解、数字の作り方などは必須スキルですよ。
- コンプライアンス違反で会社倒産の可能性あり
- 他業界に比べて給料が安い。
特に、僕が食品メーカーで働いて感じたデメリットとして、安定性はあるものの、ビジネスとして儲かりにくい(利益率が低い)と感じます。小売店が強く、販売協賛、条件などの折衝があり、利益の確保が大変ですね。そのため、独自の店舗を持つか、圧倒的な商品力がないと、儲けは少ないと感じます。
食品メーカーの2つの営業の仕事とは
食品メーカーの営業の仕事は想像がつきますでしょうか?
食品メーカーの営業は大きく2種類あります。
- 家庭用の営業:スーパーマーケーット、ドラッグストアなどの量販店向けへの営業
- 業務用の営業:外食、産業給食、学校給食、食品メーカーへの営業
求められるスキルは違いますが、自社商品の理解、競合商品の分析、食品業界のトレンドの把握など知っておく必要がありますね。
僕自身、食品メーカーの営業として、家庭用のルートも一部担当していましたが、業務用ルートと、仕事内容が全く違います。家庭用の場合、スーパーなどの量販店に定番導入や特売導入に向けて商談しますが、業務用ルールは業態に合わせて商品を提案したり、レシピを作成したり、入札書類を作成したり、FOODS eBASE、MerQurius (データベースの規格書)を依頼・調整したりしますよ。
食品メーカーの営業以外の仕事とは
もちろん、食品メーカーには、営業職以外の仕事もありますよ。
基本的な5つの職種があり、名称が違ったりしますが最低限下記の仕事があります。総務部、人事部、生産職などは除いております。
- 研究職:商品を開発、リニュアールなどを行う部門
- 資材職:原料の調整・手配、包材の調整・手配などをする部門
- 品質保証職:食の安全、安心を確保するために書類の作成、監査などを行う部門
- マーケティング職:モニタリング調査によって新商品の企画立案などを行う部門(大手食品メーカーにあるイメージ)
- 発注関連職:商品の注文、配送などを行う部門
就職のミスマッチを避けるために、自分が目指すキャリアを思い描きながら採用試験に臨みましょう。
食品メーカーで働きたいなら、OB訪問より工場見学をしよう
食品メーカーで働きたいなら、OB訪問も良いですが、食品メーカーの工場に見学しにいこう。工場見学は無料でされておりますので、予約して訪問してみよう。
なぜなら、仕事内容や職場の雰囲気を具体的に知ることができるからです。やはり、食品メーカーの売上の源は食品であり、食品がどのように製造されているかどうかを自分の目で見ておくことは必要です。
営業職希望なのに、なぜ工場見学が必要なのか?
という疑問を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、営業マンには幅広い食品の知識が必要になります。将来、営業職である程度キャリアを積めば、得意先との工場監査、立会い、テスト生産などの機会があります。営業マンであれば、自社の商品の製造工程はある程度イメージしておくことが必要で、学生の間に意識してしておくと就活で有利に働きますよ。
実際、新卒の就職活動でとある食品メーカーの面接時に、工場見学に訪問したことや思ったことを述べたのですが、非常に評判良かったですよ。
食品メーカーと問屋の違い
食品メーカーと問屋の違いについて記載しております。問屋はご存知でしょうか?
問屋とは、メーカーと小売業をつなぐ食品中間流通で、メーカーと小売業の中間に生じる様々な業務を一括して代行することで、双方の人件費や物流費等のコストを下げる役割を担っています。食品流通をスムーズに、商品を効率的かつ安定的に供給することを求められています。
食品メーカーと問屋の大きな違いは、取り扱う商品量が違います。
食品メーカーの場合、自社商品および派生する商品(PB商品、OE商品)ですが、問屋の場合、あらゆる食品メーカーから仕入れることができるため原則取り扱う商品に制約はありません。もちろん、商品アイテムが増えれば管理コストが増えるため、現在、商品アイテムを絞る傾向にあります。
食品メーカーの営業マンで活躍する人材とは
食品メーカーの営業職としてキャリアを積んできたdaiが考える、食品メーカーの営業マンで活躍する人材を考えてみました。
深く学べる、プロフェッショナルタイプが好ましいと思います。
自社商品の深い知識は必要不可欠です。
- どんな味がするのか?
- ターゲット層は?
- 競合商品は?具材量は?
- 製造工程は? など
様々な事柄を得意先から質問されます。入社当初、「社内で確認します」でその場をしのぐことができますが、営業としてキャリアを積んでいけばそのような対応はまずいですね。
もちろん、競合商品の価格・ニーズの把握、食品業界知識なども必要になり、幅広い知識が求められますよ。日々勉強ですね。
食品メーカーを目指すなら、知っておきたい初級用語
最後に、食品メーカーを目指すなら知っておきたい初級用語集を作ってみました。食品業界独特の言葉ですが、押さえておきましょう。
消費期限と賞味期限の違いや生鮮食品と加工食品の違いを説明できますでしょうか?わからなければ、確認してみよう。
最後に
今回は、食品メーカーを就職する前に知っておきたい8のことについてまとめてみました。
就活生の人気の食品メーカーですが、食品メーカーに実情を知った上で就活されることがオススメです。
自分のキャリアを見据えながら、自分の3年後、5年後、10年後のキャリアイメージを漠然と意識しながら、就活しましょう。社会に出ると、想定外がたくさんあり、自分の描く未来像通りにはなかなかなりませんが、軸があるのとないのでは、転職する際にも、会社に残る場合も判断がしやすいです。
希望に溢れたまま食品メーカーに入社したが、思っていた世界と違っていたり、挫折してしまったり…退職してしまう方も少なくありません。(僕自身も一社目を退職してますし…)そんなミスマッチをなくすために、記事を書きました。参考になれば幸いです。それでも食品メーカーで勤務したい方は、食品業界で働きましょう。
「食彩life」の運営者 dai が食品業界を分析した内容を無料で配布しております。
令和時代に向けて是非とも知っておきたい食品業界情報になりますよ。
食品業界の実態・トレンドを知ることで、食品業界の知識の向上に役立たせることができます。また、食品業界を目指している方にとって、食品メーカーで従事していた生の意見(一次情報)を知ることができます。
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