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惣菜管理士試験が2019年度10月開講分よりリニューアルされ、惣菜管理士3級のカリキュラムが変更しました。
今回は、リニューアルされた惣菜管理士3級の科目「食中毒」で最低限知っておきたい7のことについて記載したいと思います。ちなみに僕自身は惣菜管理士1級の資格を持っております。
惣菜管理士3級の難易度もそこまで難しくないため、それなりに勉強すれば受かりますよ。(得意先の人は一夜漬けで合格した方もいらしましたね)


まず、惣菜管理士3級について記載します。
<現在>惣菜管理士三級の試験範囲
2019年度10月開講分より、惣菜管理士3級のカリキュラムが変更になりました。
<以前>惣菜管理士三級の試験範囲
以前の惣菜管理士三級の試験範囲は下記の通りでした。参考程度に前回の科目も押さえておきましょう。
試験コンセプト:安全と栄養
レベル:基礎的な知識、担当者レベル
個人的に受講に当たっての感想(2015年)
該当年の試験に関して記載いたします。基本的に、「惣菜管理士問題集」のみ行えば合格可能になりました。ただし、設問の聞き方など丸暗記では対応できない工夫がしてあり、それなりに勉強することをお勧めします。周りに人は一夜漬けで合格した人もいました。僕自身は勉強しすぎたと思います。
- 勉強開始時期:試験2週間前から
- 平日の通勤時間:30分×2回
- テスト前週の土日:各1時間
- テスト前日:1時間
2018年惣菜管理士資格試験合格者および合格率
2018年惣菜管理士資格試験合格者及び合格率は、下記の通りになります。
級別 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
一級 | 739名 | 606名 | 82.0% |
二級 | 1,032名 | 910名 | 88.2% |
三級 | 1,992名 | 1,616名 | 81.1% |
合計 | 3,763名 | 3,132名 | 83.2% |
「惣菜産業新聞JMニュース 2018.8.1発行」引用
ここから各単元ごとに暗記項目を記載しておきます。ここから各単元ごとに暗記項目を記載しておきます。
「食中毒」で最低限覚えておきたい7つのこと
「食中毒」で最低限覚えておきたい7つのことは下記の通りになります。
食中毒の発生状況と病因物質別年次推移(三年間)ついて
食中毒の発生状況と病因物質別年次推移(3年間)についてまとめてみました。ノロウイルスの罹患者が多く、特に注意が必要です。
平成30年の患者数(人)別ランキング
順位 | 病因物質 |
1位 | ノロウイルス |
2位 | ウェルシュ菌 |
3位 | カンピロバクター |
平成29年の患者数(人)ランキング
順位 | 病因物質 |
1位 | ノロウイルス |
2位 | カンピロバクター |
3位 | ウェルシュ菌 |
平成28年の患者数(人)ランキング
順位 | 病因物質 |
1位 | ノロウイルス |
2位 | カンピロバクター |
3位 | ウェルシュ菌 |
ノロウイルスについて
ノロウイルスとは、約35〜40nmサイズの微生物で特徴を下記の通りまとめております。非常に小さいため、食中毒対策が難しい側面があります。
症状 | 下痢、嘔吐、腹痛、 吐き気、発熱、など |
感染成立の ウイルスの量 | 10~100個程度 |
生息 | カキなどの貝類 |
発生時期 | 冬季(11〜3月)に多い |
塩素処理により | 不活性化する |
ノロウイルスは加熱に強く、確実に失活させるためには、中心部を85〜90℃で少なくとも90秒間の加熱が必要と言われています。
下痢病性大腸菌(病原大腸菌)に関して
下痢病性大腸菌(病原大腸菌)は5つに分類されるため、押さえておきましょう。
- 腸管病原性大腸菌
- 腸管侵入性大腸菌
- 腸管毒素原性大腸菌
- 腸管凝集付着性大腸菌
- 腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌の特徴に関して
特に、腸管出血性大腸菌の特徴をまとめてみました。
原因菌 | O157が代表的 |
腸管出血性大腸菌の産生 | ベロ毒素を産生 |
感染力 | 強い |
食品以外にも人から人への直接感染が起こります。O157の殺菌方法は、75℃で1分間以上の加熱をすることが必要と言われています。
腸炎ビブリオに関して
腸炎ビブリオとは、下記の通りまとめております。
原因菌 | 腸炎ビブリオ |
症状 | 急性胃腸炎を発症 |
発生時期 | 夏期が多い |
生息 | 魚介類、魚介類の加工食品 |
腸炎ビブリオ(原因菌)の特徴
グラム陰性の通性嫌気性無芽胞桿菌で、海水細菌の一種で、0.5〜8%食塩濃度で増殖します。真水では生育できません。死滅条件は下記の通りです。
- pH4.0以下
- 5℃以下
ボツリヌス菌について
ボツリヌス菌による食中毒とは、下記の通りまとめております。
原因菌 | ボツリヌス菌 |
症状 | 神経症状を発症 |
ボツリヌス菌(原因菌)の特徴
グラム陽性の有芽胞偏性嫌気性菌桿菌
産生する毒素は極めて強力である(フグ毒の1,000倍以上)が、十分な加熱により失活する。
日本では、E型菌が広く分布していましたが、1999年以降はほとんどA型菌です。ボツリヌス菌は80℃で20分間の加熱で失活するので、食べる直前に十分加熱しましょう。
カンピロバクターについて
カンピロバクターによる食中毒とは、下記の通りまとめております。
原因菌 | カンピロバクター |
症状 | 下痢、腹痛、吐き気、発熱、など |
生息 | 牛、豚、鳥 など |
カンピロバクター(原因菌)の特徴
グラム陰性の螺旋状の細菌で、両端に極べん毛をもちます。家畜、家禽、ペット類および野鳥などに広く分布している。(市販されている鶏肉の汚染は高い)酸素濃度3〜15%で増殖する(微好気性を好む)が、乾燥に弱い。
ウェルシュ菌に関して
ウェルシュ菌による食中毒とは、下記の通りまとめております。
原因菌 | ウェルシュ菌 |
症状 | 下痢などの症状が発症 |
原因食品 | 肉類、魚介類、野菜を使用した煮込み料理、 大量に調理したカレー、シチューなど |
ウェルシュ菌(原因菌)の特徴
芽胞を形成する偏性嫌気性の細菌で、人や動物の腸管、土壌、水中など広く自然界に分布しています。10〜48℃で増殖可能で、熱に強く、高温でも死滅せずに生き残ってしまいます。そのため、保存後の再加熱する際には、十分加熱するにつとめましょう。
最後に
今回は、リニューアルされた惣菜管理士3級の科目「食中毒」で最低限知っておきたい7のことについてまとめてみました。
惣菜管理士三級を受験される方にとって、参考になれば幸いです。業務をしながらの受験になるかと思いますが、効率的に勉強しましょう。