フードロス(食品ロス)とは?食料ロスと食料廃棄の違いや原因など、食品従事者が徹底的にまとめてみた。 2018 11/04 Updated 2020.11.17 2018 11/04 Published 2018.11.04 / dai \ この記事を共有 / 3 B! リンクをコピーする フードロス(食品ロス)とは?食料ロスと食料廃棄の違いや原因など、食品従事... dai 3 B! リンクをコピーする スポンサードリンク スポンサードリンク どうも。「食彩life」「やさしい食品表示ラボ」を運営している dai です。(プロフィールはこちら//食品業界情報は→こちら) 2018年、フードロス元年と呼んでもふさわしいぐらい様々なフードロスを削減するサービスが誕生しました。食品ロス削減のためにインターネットの特性であるマッチングを活用し、フードロスを削減するサービスは少しずつですが世間に受け入れられているように感じます。 では、そもそもフードロスとはなんでしょうか。今回は、 フードロスについて食品従事者が本気で分析したいと思います。 まとめ〜フードロス〜 ◯【フードロス削減サービス】カオスマップ@食彩life オリジナルを作成してみた ◯まるで教科書!フードロスをITテクノロジーで解決する企業・取り組みをまとめてみた【超保存版】 目次 1. フードロスとは1.1. 日本のフードロスは年間643万。そのうち家庭から半分が発生1.2. フードロスの様々な要因1.2.1. 食品流通業界の慣習「1/3ルール」2. 世界と日本のフードロスの定義の差異2.1. 世界のフードロスの定義2.2. 日本のフードロスの定義3. 世界のフードロスの事情4. 最後に フードロスとは フードロス(食品ロス)とは、食べるために作られた食料が、失われたり捨てられたりしてしまうことを指します。サプライチェーンの流れの中で、まだ食べられるにも関わらず、様々な理由で失われたり、捨てれられたりしています。フードロスの定義は様々ですが、このHPでは、フードロスを環境省や農林水産省が用いられているように「食べられる食べ物が捨てられること」という意味で使用しております。 2015年に国連の「持続可能な開発サミット」で採択された2016年から2030 年までの国際目標の中で、食品ロス関係の記載があり、持続可能な生産消費形態を確保する目標を掲げております。 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる、とのことでした。 日本のフードロスは年間643万。そのうち家庭から半分が発生 実際、日本ではまだ食べられるのに捨てられてしまっている、フードロス量は、643万トンと推計されております。(2016年度)まだ食べられるものが捨てられてしまう問題、フードロスについて、社会全体が考えていかなければならない課題になります。 日本のフードロスのうち291万トンが、消費段階の家庭で発生していると言われており、一人一人が行動の見直しがフードロスを減らしていく上で必要になります。 フードロスの様々な要因 そのフードロスの要因としては様々な要因が挙げられます。下記の通り列挙してみました。生産、流通、販売、消費といったサプライチェーンのすべての段階で原因が潜んでおります。つまり、原因を特定化できず、幅広い対応が求めれらております。 フードロスの要因 飲食店でのロス(予約のドタキャン、食べ残しなど) 物流時の商品の包装の不具合や輸送トラブルによるロス(包装に傷があると廃棄対象に) 消費者心理によるロス(賞味期限の新しい牛乳を選択するなど) 規格品という概念(規格外の商品は商流さえ乗らない) 食品業界の慣習「1/3ルール」 イベント品、季節商品などの限定販売(時期が過ぎれば廃棄へ) 食品流通業界の慣習「1/3ルール」 食品業界には、「1/3ルール」という慣習があります。このルールがフードロスを助長していると思われます。 「1/3ルール」とは、製造日から賞味期限までを3分割した上で、納品期限、販売期限を設けるという小売有利なルールになります。販売期限を超えた食品は小売から卸売へ、納品期限を超えた食品は小売および卸売からメーカーへと返品され、その多くが廃棄されております。 食品業界で営業マンが見たリアル もちろん、「1/3ルール」がある小売店もあありますが、全くない店の方が多いです。その上、「1/3ルール」をすぎて返品されたとしても、メーカー側で廃棄することは基本的にはあり得ません。処分販売や価格が見えない先(業務用ルート)で販売処理しております。 ただ、まだこのようなルールがあるのも実情のため、廃棄しないような販売先を考えないといけません。 世界と日本のフードロスの定義の差異 世界と日本のフードロスの定義が違います。 世界のフードロスの定義 2011年国連食糧農業機関(FAO)によると、下記の通りされております。 食料ロス(food loss):食べ物の量的(g)もしくは質的な価値(栄養価や経済価値など)が減少すること。 食糧廃棄(food waste):食糧ロスの一部で、特にまだ食べれられるにに捨てられているもの。 引用:Global Initiative on Food Loss and Waste Reduction “Definitional Framework of Food Loss” (2015) ただ食料ロスと食料廃棄の分類は必ずしも明確ではなく、多くの場合、「食料ロスと廃棄(Food Loss and Waste / FLW)」と総称が使用されるようです。 日本のフードロスの定義 日本の場合、フードロスは食料ロスと食料廃棄の総称して使用されていることがほとんどです。区別せずに使用されていのが現状だと、いろいろ調査していると思います。 世界のフードロスの事情 世界で生産される食料のうち、1/3が廃棄され、年間約13億トンに上っております。そのうち、1/4でも有効活用できれば、世界中で飢餓に悩まされている方々(7億9,500万人)を助けることができる量になります。 フードロスは廃棄だけが問題ではありません。自然資源の浪費し、不要な温室効果ガスの排出し、地球温暖化に影響を与えております。そのため、フードロスを意識し行動するだけで、より良い社会に貢献することができます。 出典: FAO “Key facts on food loss and waste you should know!” (2016) FAO “Food wastage footprint: Impacts on natural resources – Summary Report” (2013) ●フードロス(食品ロス)の教科書を作ってみた。【基礎知識を楽しく学ぶ7章】 →フードロスを勉強する上で教科書を作ってみました。よかったら参考にしてください。 最後に 今回は、フードロスについてまとめてみました。 日本と世界での定義が若干異なりますが、本質は一緒です。フードロスの削減が世の中を少しずつですが良くします。少しでも日々の生活でフードロスに関してできる範囲でやってみよう。 フードロスに向き合う様々なサービスに関して、独自にまとめたページはこちらになります。ご関心があれば是非どうぞ^^ まとめ〜フードロス〜 ◯【フードロス削減サービス】カオスマップ@食彩life オリジナルを作成してみた ◯まるで教科書!フードロスをITテクノロジーで解決する企業・取り組みをまとめてみた【超保存版】